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■五月一日 | No.1626 |
都内某所で打ち合わせ。 ぐったり疲れる。 それにしても、みのもんたが大人の夜番組をやるというので期待していたら、『さしのみ』かよ。お色気やってくれよ、お色気。 もうほんと私がやるしかないな。何か使命を感じる。 |
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■五月某日 | No.1627 |
雨がしとしとのなか、執筆。 いよいよ小説連載の第一回目が始まりそう。 |
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■五月某日 | No.1628 |
ハイキング。多摩湖まで歩き、狭山公園を散策。ってここいらで住居物件を探したわけではないのよ。 | |
■五月某日 | No.1629 |
夜、紀伊國屋サザンで『キャイ〜ン・ライブ』に行く。 二時間、よくふたりだけで保たせるものだと感心。 「グラビアモデルのOさん、デビューしたときはぼくより二歳下だったのが、今は四歳上ですよ」 「生き急いじゃったんですねえ」 という掛け合いに大いに笑う。 疲れが蓄積しているのか、どうもよくない。 |
■五月某日 | No.1630 |
もうっ、先週家探してるとか書いたら大変なことに。 まず、電話。お墓買いませんかっちゅうの。次に別荘どですかっての。 で、次に十年会っていない人から、金貸してくれってのと、二十年会ってない人から、保証人になってくれっちゅうの。 あと猫が病気にかかったので治療費分けてくれっちゅうの。 次は女と別れるので手切れ金貸してくれちゅうの。 みんな、かんにんしてくれえ。 余裕があるわけじゃないんだよお。 どこにこの俺様にもうかってる要素があるってんだよ。指摘してみろ、あるわけないだろがっ。 おれにだってつましい生活する権利があるだろってんだよお。 なんで、今、家なのか。これには海よりふかーいわけがあるのです。聞きたい人は直接私に尋ねるように。 そういうわけで、父の13回忌。横浜で法事。 そのために前日に横浜入り。 伊勢佐木町を歩くと、横浜ニューテアトルで『ヨコハマメリー』が上映されていてこれが整理券発行、行列の大盛況。 そう、ここ伊勢佐木町はマリーさんの街。私の世代は実物のメリーさんを何度も目にしている。 釜飯を食べる。 |
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■五月某日 | No.1631 |
法事。 82歳の伯母。やはり父とよく似ている。美形であり、風情は往年の女優。 ばすばす中華を食べる。 |
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■五月某日 | No.1632 |
いよいよ『オトコとおとこ』の稽古初日。 文学座のモリヤで戯曲生成の過程なんぞをしゃべり、笑いに関する決意表明をする。 歯医者。長時間、お口開いててぐったり。 |
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■五月某日 | No.1633 |
モリヤの稽古に顔を出して、稽古後、勝也さんが出演しているという縁もあって、足立正生氏の三十数年ぶりの新作『幽閉者』の試写会に赴く。 会場のアテネ・フランセ文化センターは満席でむんむん。もう海千山千、一癖ふた癖の人々でいっぱい。 ほとんど監獄のなかの場面ばかりの映画だが、画面からほとばしってくる気合いと緊張感で二時間近くまったく飽きなかった。 終わって東京駅で夕食食べて深夜京都入り。 |
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■五月某日 | No.1634 |
授業。 夜、春秋座で観世さんのお能『藤戸』を見る。 本来は薪能だったのが、雨で会場変更となった。 薪能には恵まれない、見ようとするといつも雨でままならない。 千本中立売の飲み屋で一杯。 平塚の殺人事件が気になる。 |
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■五月某日 | No.1635 |
授業。 会議。 帰京。 帰ってくるとやれ原稿だやれゲラだとあって愕然とする。 |
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■五月某日 | No.1636 |
美容院に行って『平凡』でラーメン食べ、国立近代美術館に行く。 『藤田嗣治展』。やはり評判の展覧会だけあって平日というのに混んでいる。常設展にも足を運んで、ひさひざに岸田劉生、佐伯祐三などを見て満足。 |
■五月某日 | No.1637 |
私もいずれ藤田嗣治のように、「私が日本を捨てたのではない、日本に捨てられたのだ」とか言ってニューヨークに旅立つのだろうか。なんつってね。 それにしてもボクシングの亀田兄弟ってなんだよ、あれ。 勝った後歌歌うなど敗者に対する敬意もなく、下品であることおびただしい。こんなことがまかりとおるボクシング界などもう終わりじゃなかろうか。なんか最近、保守的であることがいっとうまとものように思える。 新宿で自殺対策推進のための『三万人署名』のチラシを手に取る。これだけではまったくわからない。夜のニュースでこのことをやってて、やっと少し理解した。今のチラシだけでは説明不足。こういう時代だから、なんかカルトかなんかと誤解されてしまうおそれがある。 |
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■五月某日 | No.1638 |
『笑点』、圓楽さん、最後の大喜利。新メンバーは予想通り昇太ね。 こん平の手紙へのたい平の涙にもらい泣き。 時はゆくゆく笑点メンバーも変わる。 |
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■五月某日 | No.1639 |
新宿ピカデリーが閉館か。 まっ、松竹は西口にシネコン作るっていうから、それでここは閉じるってわけか。この後は何の店舗になるのだろう。新宿はここに来てまた色々変わるな。 『プロデューサーズ』を見る。おもしれー。大好き。 悪趣味な笑いという批判もあるが、メル・ブルックスだぞ。悪趣味でベタなのは予想つくだろが。ゲイのヒトラーには笑った。史上最低のミュージカルという設定のもとなら堂々と悪趣味ができる。この構造を編み出したところがなかなか賢い。 『レ・ミゼラブル』よりこういうほうが好きだよ、おれ。 |
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■五月某日 | No.1640 |
モリヤに行き、稽古をのぞく。 その後、飲む。 |
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■五月某日 | No.1641 |
京都入り。 いろいろ打ち合わせ、会議。 もうぐったり。 なんかここにきて私のなかで会議モードというのが新たにインプットされたな。 BBCの人間違いインタビュー、ガイ・ゴマさんにホテルの部屋でひとりで大笑い。いいねえ、ゴマさん。 |
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■五月某日 | No.1642 |
授業。 なんか梅雨のような空で、体がどんより。 帰りの新幹線で編集者から小説いけるとの連絡あり、ほっとする。 なんかここにきてまた色々人生に変化を感じる。ほんっと彷徨亭とはよくいったものだ。 |
■五月某日 | No.1643 |
新宿で打ち合わせ。 そいで歯医者いって25分口開けててくたびれて、歌舞伎町の芝居見に行く。野外でやって劇場に移動していくやつなのだが、なんかちゅまんないの。 |
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■五月某日 | No.1644 |
昼間、急に豪雨で、雨が渦を巻いているのが窓から見える。 終日読書。サルトルの戯曲って戯曲構造の教科書だな。 夕方、雨が上がるので散歩。日が差している。 |
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■五月某日 | No.1645 |
終日、読書。資料読み。 夜、銭湯でサウナ、びっしびし。 |
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■五月某日 | No.1646 |
映画のシノプシスを書く。 モリヤをのぞく。 歯医者行って京都へ。 マイ枕をホテルのフロントにキープしてもらっていて、それを使用してからというもの、眠れる、眠れる。 |
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■五月某日 | No.1647 |
授業。 夜、四条に出る。 |
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■五月某日 | No.1648 |
授業。 帰京。 |
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■五月某日 | No.1649 |
雑事こなし、ジャームッシュの『ブロークン・フラワーズ』を見るが、身に染みた、心に染みた。かたやヴェンダースも最近『アメリカ,家族のいる風景』でサム・シェパードを主演に初老のアメリカ人男性を描いたわけだが、こっちのビル・マーレイのほうが断然いい。慎みというものがある。 |
■五月某日 | No.1650 |
東スポでデーブ・スペクターが『ダ・ヴィンチ・コード』というタイトルは文法的におかしい、なぜならレオナルド・ダ・ヴィンチというのは「ヴィンチ村のレオナルド」という意味だから、ダ・ヴィンチだと「ヴィンチ村出身の」という節が宙ぶらりんになってしまうとうことで、深く納得したのだが、どうなんだろう。あまり下手に知ったかぶって墓穴を堀りたくはないが。 爆笑の太田が右翼から誤解されて抗議を受けたというが、こうした誤解等は政治ネタを意識的にやり出した芸人のある意味宿命とも言える。ニセの太田名義のネットの書き込みからのことだというが、最近太田の笑いはとみに大人向けになっているので、かつてファンだった子供らが置いてけぼりにされたという疎外感から太田に悪意を抱いているのではなかろうか。 『ブロークン・フラワーズ』の余韻が残っている。なぜこういう舞台が生まれないのか。それはある意味演劇が常に社会的テーマを持っていなければとか何かを主張していなければ演劇ではないといったふうな、強迫観念を演劇人たちが持ってしまっているためではなかろうか。 とか色々ぐだぐだ考えているうちに日が暮れる。 京都では面倒なポストを与えられたが、研究室に本を大量に並べたりとか巣作りはせず、常にボストンバッグひとつで立ち去れるような、いつやめてもいい身軽さでことに対処していこうと思う。だからいつも捨ててもいいゴミだけがある研究室ね。 |
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■五月某日 | No.1651 |
休日。 大野一雄の稽古場の言葉を書き取った本を読む。心に染みる。 |
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■五月某日 | No.1652 |
いろいろ書き物と読み物で四苦八苦。 | |
■五月某日 | No.1653 |
色々用事済まして、歯医者いって20分ほど口開けて、夜、仕事仲間と新宿でスペイン料理を食べる。おいしゅうございました。 | |
■五月某日 | No.1654 |
朝早くの新幹線に乗ろうとするが、停電で発車遅れる。 京都入り。 授業。 朝のこともあってか異様にくたびれていて、すぐに寝る。 |
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