◆◆◆サラ・ケイン『渇望』ドラマ・リーディングのお知らせ◆◆◆ このたび、早稲田大学において、サラ・ケインの戯曲『渇望』のドラマ・リーディング、引き続き、シンポジウム「サラ・ケインをめぐって」を開催することになりました。 サラ・ケインは、1971年に英国に生まれた作家で、99年に自ら命を絶つまでに、6本の戯曲・シナリオを書き残しています。英国以外のヨーロッパにおいても上演が相次ぎ、近年、世界的にもっとも注目される作家の一人となっています。彼女の遺作となった『4時48分 サイコシス』は、世田谷パブリックシアターのドラマリーディングでも取り上げられ(阿部初美演出、谷岡健彦翻訳)、さらに川村毅をはじめとする演出家によって舞台化され、日本でも大きな反響を呼びました。 今回取り上げる『渇望』は、『4時48分 サイコシス』に先だって、1998年に執筆され、トラヴァース・シアター(エディンバラ)において初演された、サラ・ケインの作風の変化という点においても、大きな結節点となった作品です。今回が本邦初訳・初演となります。世界、そして精神の安定と統一が崩れ、言葉ももはや意味をなしえなくなる ― サラ・ケインの劇的言語は、人間の「生」の極限を、剃刀で斬りつけるような力をもって、そして同時にきわめて繊細に計算された音楽性をもって、描き出します。『渇望』の絶望的なまでの美しさと力強さを、感じ取っていただければ幸いです。 リーディングに引き続いてのシンポジウムには、演出の川村毅氏、翻訳者の谷岡健彦氏のほか、英語圏現代演劇の専門家でもある斎藤偕子氏、「ひきこもり文化論」で知られ、アウトサイダー・アートにも造詣の深い精神科医の斎藤環氏という、華やかなゲストをお迎えして、作家サラ・ケインの特異性に、多角的な切り口から迫ります。 本企画は、日本演劇学会全国大会のプレ・イヴェントとして実施されるものですが、学会員以外の皆さまも、無料でご招待いたします。ただし、メールによる事前申込が必要となりますので、6月20日までに、fujiis@waseda.jpまで、お名前・参加人数・ご連絡先を明記の上、メールにてお申し込みください。皆さまの幅広いご参加をお待ちしております。
2004年度日本演劇学会全国大会プログラムについては、 日本演劇学会HP |
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