「フクロウの賭け」稽古場から

『フクロウの賭け』

作・演出:川村 毅

●出演

手塚とおる、高橋かおり、飯尾和樹(ずん)、

伊澤 勉、笠木 誠/江守 徹

2006.2.9-19
シアタートラム

「フクロウの賭け」稽古場から 第4回

「梟(フクロウ)」という漢字が未だに書けません。福田福朗です。

いやいや、「読め」はするのです。しかし、書けない。

私は眼球が動かせないため、漢字が苦手なのです。

今回は、タイトルが「フクロウ」と片仮名表記になっているのは、私のような高齢者に親切です。

「フクロウを書け」と言われても、普通、書けませんよね。

ということを思案しながら、本日も稽古場へ。

まだまだ遠くから眺めるだけの毎日が続きます。

どうやら稽古は「立ち稽古」へ入ったようです。

順調に進んでいきます。

素敵な役者さんを間近で見たくて、私は風切羽の綿毛を使い、こっそり寄ってみました。

おや、おやおや……。

突然、私をみて、江守氏の目つきが変わりました。

どうやら、気付かれたか……。

私はサッと身を隠しました。

しかし、江守氏の手には、ラ、ライフル?

思わず側にいた笠木さんが、止めようとします。

「変なのが、いるぞ!」

江守氏は必死で怒鳴り声をだしながら、私を探します。

そして再び、ライフルを手にしました。

咄嗟の判断で、それを手塚さんに奪うように指示するカワムラさん。

ナイス演出です。

ライフルを奪われた江守氏、かなり興奮しています。

しかし、私に気付いていない他のメンバーは、江守氏が、怒っている意味がよく理解できません。

それでも尚、江守氏は不審者(=私)の存在について、カワムラさんに主張しています。

カワムラさん、分けが分からず硬直。

伊澤さんは、「そんなヤツいなかったよね〜」と高橋さんに。

私はビクビク羽を震わせていました。

江守氏は、ひどく腹をたてています。

これでは、稽古どころではありません。

場をなごませようと、浅井企画の威信かけ、飯尾さんが江守氏にギャグを言っています。

ギロッと江守氏のサングラスが光ります。

……どうやら効果は薄かったようです。

そこで、稽古終了。

はぁ。私のせいで稽古場にご迷惑をかけてしまいました。

フクロウ屋の主人役に反し、江守氏は、福朗に寛容ではなかったようです。

今後は、福朗らしく、遠くから見守ることにします。

え、そんな稽古場あるわけない。あんたがボケて勘違いしただけだって?

失礼なっ!

気を取り直して、ここで読者からのお便りを紹介。
えーっと、千葉市に住む、ペンネーム・ハーマイオニーさんからです。

「こんにちは、福朗さん。私は手塚さんのファンです。もっと手塚さんをピックアップしてください」

はい。了解です。

ということで、次回は、手塚とおるさん特集。

乞うご期待。

by時枝正俊

稽古場から 第1回 第2回 第3回

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