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緊張する。あー、緊張する。至近距離。1メートル未満。目の前の椅子に、『クリオネ』唯一のあの女優さんが座る。 じゃあ、よろしくお願いしまーす。 推定距離、30センチ未満。手に汗がでてきた。距離の問題とかじゃない。もうなんというか、その正真正銘の女優さんの顔がこんなに近くにくると、なんだかネバーランドに迷い込んだ気持ちになる。まるでこの稽古場は船の上のよう。ドクドク波が立って、違う意味で僕は酔っている。そういえば、ティンカーベルさんでしたよね? そうです。でも、ストレート・プレイの方が多いです。昔は学生劇団で、池袋のシアターグリーンにもでたりして(笑) ……学生劇団。ティンカーベルこと、宮本裕子さんは、僕の現在通っている日本大学芸術学部演劇学科出身。ちなみに今、僕の周りの同級生でこんなキュートな妖精はいない。と、こんな蛇足を書いている場合じゃない!本題は、『クリオネ』だ。宮本さんの役柄は、男性に囲まれて可憐な存在感を放つ白崎理香役。白崎は、どんな女性ですか? 白崎は、外国育ちなので自分の主張をちゃんと持っているという感じがします。嫌な事は嫌、好きな事は好きとはっきり言えて、日本の<相手を察する>文化に慣れないところが、私と似ている気がします。パッと言ってくれた方が面倒くさくないですね。 と、はっきり答えていただきました。宮本さんを察しながら質問を続ける日本男児の僕はしどろもどろでした。なので意を決して、次は禁断の質問。白崎は、国仲と真城という2人の男を翻弄するファム・ファタール的な役柄でもありますが、実際どっちが好きなんでしょう? ○○がやっぱり好きなんでしょうね。生き方とかも含めて全部。 と、またまたズバッと答えていただきました。伏字にしたのは、訳アリです。実際に観劇して、宮本さんがどちらが好きだと思って演じているのか確かめてみてください。 川村作品では初めての出演となる宮本さん。川村氏についての印象を尋ねると…… ダンディな人。 だそうです。そんなダンディズムを極めたフック川村船長の元、『クリオネ』は、東京から大阪までじっくりと航海を続ける予定です。乞う、ご期待!いやいや、終わっちゃダメでしょ。肝心な質問を忘れていました。観にきていただくお客さんに一言お願いします。 めずらしく男の人に見てほしいと思っています。これだけ男性的な視点で描かれているお芝居は、私としては初めてかもしれません。男性ってこういう見方するんだ! という発見が稽古場で毎日あります。女の人は、一瞬理解できない部分があるかもしれませんが、それはそれで楽しめると思います。 男性、必見。『クリオネ』の世界に舞い降りた宮本さんの演技にドキドキすること、間違いなしです。最後に……、写真撮らせていただいていいですか? 宮本裕子 PROFILE 1990年「ピーターパン」のティンカーベル役で舞台デビュー。 |
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